ハートの扉

ハートの扉

岡本舞子

  • 発行日:85/10/05
  • 番号:SJX-30275
  • 発売:ビクター

 一般的に、名盤としての評価が定着している作品だ。だが、岡本舞子を語る時よりも、山川恵津子を語る時に引き合いに出されることが多いのはなぜなのだろう。
 全作編曲が山川恵津子の手になり、山川色といったものが強く出るのは当然でもある。ぼく白身、この作品に対して抱く「完成品」とのイメージの形成に一役買っている。そしてその完践品のイメージをそのまま、岡本舞子に対しても当てはめてしまいたくなってしまうのだなあ。どの曲もみんなソツなくこなしてしまう、ノープロプレムだ、すばらしい!。ただその反面、上がり目が期待でさない。だからつまらない。とすると、“岡本舞子は「見知らぬ国 のトリッパー」で終った”という不謹慎な意見も、あながち的はずれなものでもなくなるのだが。でも今になって思ってみる。岡本舞子は本当に完成していたのだろうか?
 (壱岐貴積)