ひとりぽっちの卒業式

ひとりぽっちの卒業式

三田寛子

  • 作詞:阿木燿子
  • 作曲:見岳章
  • 編曲:水谷公生
  • 発行日:83/01/21
  • 番号:07SH1250
  • 発売:CBSソニー

 タイトルには卒業式とあるが、この曲の場合は学校の卒業ではなく恋からの、それもおそらくは初恋からの卒業である。
 相手の男性は自分より遥かに年下の女の子(当時のアイドルでいえば伊藤つかさのイメージでしょう)に心を移してしまったらしい。それだけに嫉妬心も強く持ってしまうのだが、それは訴えかけるような、聞きようによっては泣いているような歌い方に現れている。
 しかし、少女は何とかして相手に対する感謝の気持ちを持とうとしているようだ。そのいじらしさがイントロの鐘の音や、アップルパイにミルクティー、丸いディズニーの時計といった小道具、そして特有の京都訛りを通じてある種の暖かさとなって伝わって来る。
 決して熱唱といった歌い方ではないが、どことなく心を打つ曲である。
(高杉洋一)