天使のメイル

　収録されている十曲のうち五曲は昼の、一曲は夕方の、四曲は夜のイメージで作られている。
　昼のイメージの曲は全体に白い逆光のような、パステル調の風景を連想させる静かな曲が多く、特に『絹の景色』と『ルノアールの景色』は美しい絵を見るようだ。（このアルバムのうちの五曲はビデオ『愛の地平線』にも収録されているが、この二曲の映像はあまり良くないが面白い）夜の曲は明るいイメージで作られている。特に『青い月影』は、他の曲がすべてリゾート地のような風景を背景にしているのに対して、月夜のビル街を舞台にしたメルヘン的な動きのある曲である。この曲を初めて聴いたのは夏の夜の野外イベントだったが、白いドレスの知美ちゃんが妖精のように見えて、とても魅力的だったのが今でも印象的に残っている。
（高杉洋一）