天使はこうして生まれるの

　いわゆるアイドル論やアイドル史が語られるとき、アイドルの原点は常に天地真理であるとされている。たしかに天地真理がアイドルであることは異論がないが、歌手、女優、バラエティものや司会などの幅広い活動や、当時としては人気のバロメーターであったブロマイドの驚異的な売上記録、そしてその知名度の広さを考えると、岡崎友紀こそアイドルの原点といえるのではないだろうか。
　この曲はアレンジは明るいが歌詞の方はかなり特異な内容だ。哀しみ多い人生の中で花を求めて流れる人の心、誇りに満ちた夢を見る心を守る野の花が歌われ、そして旅を続ける天使のような娘がある日歩みを止めて花になるという。
　メッセージというよりは、どこか超現実的なムードを持った不思議な、それ故に印象的な曲である。
（高杉洋一）