君は輝いて天使にみえた

君は輝いて天使にみえた

石川ひとみ

  • 作詞:天野滋
  • 作曲:天野滋
  • 編曲:若草恵
  • 発行日:82/05/21
  • 番号:7A0183N
  • 発売:キャニオン
りすにんぐ・るーむ

 女性が“ぼく”と歌う曲、といっても松本ちえこは邪道だ。同じ松本でも、松本隆先生が好んで使った手法。その意図するねらいは、聴き手の感情移入をを誘うことにある。“ぼく”はすなわち聴き手であるぼく自身。そして多くの場合、“ぼく”と対になる“きみ”、の役割を担うのは、曲を歌う女性になるのだろうか?
 実力はあると思うのに世に認められなかった。毎日声は聞けるのに姿は見えなかった。思い入れと焦燥感が、互いが互いを後押しして深まっていった。そんな日々から突然解放されて、ふと我に帰るとこの曲が流れている。
 ぼくにできることはもうなにもないかもしれないけど、いつまでも君を“見守っているよ”。この曲を聴くと感情移入してしまう自分が少し切ない。ただ、ぼくが想う“彼女”の名前は、石川ひとみでなかったかもしれないが。
(増島一洋)