小悪魔

　小田裕一郎作曲、大谷和夫編曲ということで、初期石川秀美ばりのアイドルポップスを期待する向さは肩透かしをくらうでしょう。
　現在は、テレビ番組中の曲などを担当し、裏方に徹している感のある小田氏ですが。80年代前半にはアイドルポップスの世界に一時代を築いたのはご承知のとおり。ただ、氏の職業作家としてのデビュー作はガールズというパンクみたいな女性ロックバンドの『野良猫』という曲だったんですね。それが、サーカスの『アメリカンフィーリング』で一躍脚光を浴びたわけですが、氏本来の音楽的指向はポップスよりメンフィスって感じのようでした。
　で、この曲もロックしてるわけです。前面に出たベースと、それに絡むブラスがカッコいいのは編曲の功績なんでしょう。でも小田氏はきっとこんな曲をやりたかっんだなあと、ぼくは思うのです。
（GE友の会）