セピア色の夏

セピア色の夏

佐藤弘枝

  • 作詞:篠原仁志
  • 作曲:緑一二三
  • 編曲:川口真
  • 発行日:85/05/21
  • 番号:SV-9023
  • 発売:ビクター
りすにんぐ・るーむ

 おもわず人差し指でつつさたくなるホッペとエクボが愛しい。とびきりの美人というわけじゃない、でも何故か気になってしまうタイプ。おとなしそうで、人見知りしそうで、声を掛けたら俯いてしまいそうな、そんな女の子。これは僕の主観だが、外れてはいないだろう。でも、こういうコンセプトは一般受けしそうになく、やはりシングル一枚をリリースしたにとどまった。しかし、そんな一般人の知るところの無いこの一枚が、『名盤』と呼ばれるに相応しい内容を持っていたりするのだ。
 その、そんな女の子のイメージからくる情景は、哀愁、感傷、片想い。ある、限られた年齢の少女にしか歌えないその詩が、彼女の幼い高い声と、切ない歌い方にマッチした。この曲は、そんな微妙なバランスの上に成り立っているのです。
(矢間基則)