夏色のナンシー

　私自身、早見優はあまり好きではなかった。というのは、私が英語にコンプレックスを持っていたからで、早見優が悪い訳ではなかったのだが、体が受け付けなかったのだ。
　しかし、早見優の曲の良さには、私も早いうちから確認できていた。私としては、デビュー曲から3枚目までの曲がとても気に入っているのだが、曲の出来を色々な角度から考えてみると、やはりこの『夏色のナンシー』からの、三浦・筒美三部作ということになるであろう。
　なんといっても、筒美の曲の出来がポイントである。決して単なるパクリではなく、歌謡曲に洋楽のエッセンスを上手く取り込んで、最高な曲に仕上げている。この曲では、ドナ・サマーが見え隠れする。この筒美の洋楽的な歌謡曲が、一番合っているのが、早見優だったのだ。
（佐々木加須美）