温故知新という意味なんだそうだ。当時ロンドンシーンでささやかれていた一つのトレンド。彼女自身、5周年を迎えて、自分の足元を見直してみるといったような意味合いも含まれていたのだろう、だが…。 霧の都・ロンドンをモチーフにしたアルバム。ロンドンレコーディング。全曲統一されたイメージでまとめられて、コンセプト的には成功している。経費節約が目的の海外レコーディングが多い昨今。が、このアルバムにはあてはまらない。音の厚みがブリティッシュサウンドを主張している。 が、気づいてしまった。彼女の声には、曲とわたりあうだけの、艶が、厚みがない。“元気”の曲では気づかなかった、彼女の声に、魅力がないことに。 完成度は高い。だが、それが、彼女の限界を意識させることになろうとは。皮肉であった。 (GE友の会)