初期の尾崎亜美作品は、女性ならではの感性で書かれた、夢と、憧れの、たいへんロマンチックな詩で、とてもとても甘く、それでいて全然しつこさや、厭味に聞こえるようなところがなく、胸に、素直に受け止められるのです。 メロディーもまた、詩をうまく乗せて、耳に優しく入り込んでくるのです。 そんな名曲揃いのなかで、この『初恋の通り雨』は言霊の作品。理恵ちゃんの談によると「恋愛の歌なんですけどぉ、ねちょーっとした感じじゃなくッてぇ、サラッとした歌なんです。」とのことです。タイトルが物語っていますが、一つの傘の中の、ミニドラマです。 元曲の持つイメージを壊さないように、さらに理恵ちゃんのイメージに合うように作られたアレンジは、より一層この理恵ちゃんのイメージを、楽曲の面から膨らまして行くことができるのです。 (木之川かず也)