- 作詞:戸沢暢美
- 作曲:岸正之
- 編曲:新川博
- 発行日:87/11/06
- 番号:07SH1999
- 発売:CBSソニー
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りすにんぐ・るーむ
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87年6月、『パラダイス・ウォーカー』でデビューした彼女に、各ミニコミ誌は、こぞって絶賛の記事を書き送った。
確かに。POPな音楽センス、細身の体に似合わないパワーある歌唱、のびやかな声は、朝の陽に後押しされたかのような力があった。そして、登りつめたパラダイスがこの曲だ。
悲しい詞のはずなのに。つらさや、くやしさのみじんも伝わってこないじゃないか。メロディーが、音が、かなしみを凍らせることなんてできるのか? 完成度が高すぎるといった評もあった。たしかにそうかもしれないが、それは本質じゃない。“楽園では、心の傷みさえ、喜びに変えることができる。”だから。だが、それを知ったのは不幸だったのか。
今の彼女が、宴の後の残り気だなんて思いたくない。伊藤智恵理はこれからどうするのか。
(増島一洋)
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