1985年頃、僕の車での定番は、原田知世、富田靖子、そして荻野目洋子だった。彼女の声の良さに惚れこんで「彼女は絶対Bigになる!」と力説していたが、この3人のテープしかかけない僕にうんざりしていた友人達は、とりあってくれなかった。 現在の彼女の活躍は御存知だろうが、ユーロビートは、所詮、ダンスのための音楽であり、飽きられやすい。それだけに今では忘れられつつある彼女の初期の名曲を惜しいと思う。例えば、小気味良いサックスと胸を締めつけられるような彼女の声が良い「入江に帰るヨットのように」、昔のアメリカンポップスっぽい「マイキャサリン」・・・。坂本龍一氏の手による、この「無国籍ロマンス」は、どこか異国情緒漂わせ、今でも新鮮である。「無国籍ロマンスを含めて、今一度『フリージアの雨』を聴いてみて欲しい。 (K2)